帰宅
そとはもう暗いから家へかえろう
吐く息が白くなっている
あなたの横顔 その輪郭をなぞる
わたしがさしでがましくいったことばに
急に口を閉ざしたあなたは
それから帰るまでの道のりは一言も発せず
ただ足音だけが響いていた
早い歩調にあわせる遅い足音
いつも迷惑ばかりかけてごめんね
街頭がぼんやりとしている
つきもぼんやりとしている
でも私のあたまはきりっと冴えていて
そんなことあなたはしらないでしょうけれど
私は沈黙をやぶるための言葉を必死に考えている
そんなうちに家に着いたよ
ただいまって私たちは
声をそろえていうんだね
(2007.11.13)