なんとなく、少し歩きたい気分だったから、商店街を抜けて、路地を曲がって、
お堀を通って、広場まででてきた。空が広い。初夏の夕暮れ。斑模様の空。夕日。オレンジと紫。
あまりにもきれいで、きれいすぎて、なんだか泣けてきた。
理由はわからないけれど、涙がでてきた。
最近は目に見えない、いろんなものに押しつぶされそうになって、窮屈に感じていた。
何を気にして、何を避けて過ごしてきたんだろう。わからない。わからないけど、
こんなにもきれいな世界を目の前にして私たちはなんて愚かな、残酷なことを平気で行ってしまっているんだろうと。