ほんと、それとも、うそ
あなたと出会って、一緒に過ごした時間の長さなんて
そんなに大した事ではないよね。
「長さよりも深さだ」とか誰かが言ったのを
ずっと大事に胸にしまいながら
あなたとの日々を大事にしようとしてきたけれど
どうやらそれは「 」だったみたい。
昨夜のあなたはどうもおかしくて
今朝もそのおかしさを引きずっていて
なんだかあなたじゃないみたい。
はじめは余所行きだった私たちは、次第に距離を縮めて
馴れ合うようになっていったね。
手をつなぐことを恥ずかしがり、
次第にうれしく、次第に当たり前に、
そしていつのまにか手をつながなくなったね。
それは直接触れていなくても、きっと十分に満たされているからだよね。
あなたのとなりはいつも私で
私のとなりはいつもあなたになった。
私は十分に幸せを感じていたけれど、
あなたの余所行きの感じに、私はどきりとして
果たして知らないあなたの口から発せられる一言目は
どちらなのだろうと
怖いもの見たさな目を細めて待っている。