冷静と情熱のあいだ。
分針が一つ進んだ。軽快に流れるポップミュージック。
同じ姿勢をずっとしていたから、軽く片足がしびれている。
さきほどは、SNS上での怒涛の会話があった。
文字とイラストだけで表現された会話。
そこにあなたの声を想像で付け足してみたりして。
本当は笑っているのか、そうでないのかを読み取るため、特に語尾に集中して。
突然途切れたそのやりとりは、退屈さのためなのか、優先順位が変わったからなのか。
急に宙に投げ出されたような会話の行先をぼーっと考えながら
やっとこの歳になってフェードアウトすることの賢さを覚えた。
つまり、この会話はバーチャルなのだ。どこかリアリティに欠けている。
だから、そうやってライトにふるまうことができるんだ。
そして、それが美しく見えるようになったりもする。
もっとどろどろとした、しつこく、深い、人間臭い、
決して綺麗とも美しいとも言えないやり取りを心のどこかで求めていながら、
美しくもぬるいこの関係に安心していたりする。