散文
頭の中のどこかに必ずある単語、それも、最近急上昇中の単語。
いつのまにそんなに私の中に流れ込んできたのか?
私が入ってくることを許したのか、それとも強行突破されたとしても、
今、あなたのことをこれほどまでに考えなければいけない
ことになっているということは、一体どういうことだ。
何が起こっているのか、まったく見当もつかない。
娯楽。ただの言葉を書き連ねている。頭は使っていない。何も使っていない。
指が打ち出していく、脊髄反射のような、少しだけの神経を使って感覚だけで言葉を紡いでいく。
目に見えているもの。におい。感覚。音。風。寒さ。のどの渇き。
私の中にある形のないどんよりした、もやもやに形を与える。
誰かが、自分は砂、あるいは水のように形がないものだといった。
そして、関係の中で生かされ、経験を積み、いろんな型に押されたり、はまったりすることで、自分の形が出来上がっていくと言っていた。
果たして本当にそうだろうか。自分自身はすべて、つかみどころのない、あってないような存在なのか?
曇天のように。ひたすらにグレーで、ところどころ白くて黒くて、果たして、どこまでが雲で、どこまで広がっているのかわからないくらい果てしない。
そんな私であるのか。そんな私であっていいのだろうか。