言葉にしなければ伝わらないけれど、言葉にしても、伝わらない。
二つの肉が分かりあうためには、何が必要だろう。
自分のなかから想いをとり出すことができない塊が互いに共鳴するためには、
音を震わせ、形をつくって、自分の外に(何かを)表現することでしか、
絶対に分かり合うことはできない。
一つが発した振動は、全ての想いを表すことはできず、仮の姿のまま
相手の中に、これまた同じように仮の姿のまま入っていく。
生が終わるまで、すべてこの繰り返しをして
ふわふわと、虚構のなかで(何となく)安心して(そんな気分に自分をおいて)
あなたの目をみる。