あの時、私は静かに落ちていった
どうしてあの時、あなたは静かに泣いていたのか
その涙の理由を知りたかった
でも私にはそれを聞くことはできなかった
そんな勇気もなく、聞こうとしても声など出なかった
それくらいに、私は空っぽで阿呆だった
毛布に包まった二人の間には確実な何かがあった
言いようもない不安もただよっていた
外は晴れてきたらしいのに二人は長く暗闇だった
どうしてあの時、私も静かに泣いていたのか
その涙の理由を知りたかった
でも、それはとうにわかっていた
あなたと私は交わることはなかった
二人はそれほどまでに別物だったのだと、
理解した瞬間であった
あなたを支配しようとしても、
私を突き放そうともしても、
それはもはや、一人で踊っているようであった
すべてが今、この目の前で起こっては
瞬時に過去になった
一秒一秒が経っていくのを心音で感じた
涙は流れて乾いていった
私はどんどんどこかへ落ちていった